「不老不死の鍵は、成体幹細胞です。」

「幹細胞はテロメラーゼが活性化しているのでしたね」と町会長。

「おっしゃる通りです。人間の体細胞ではテロメラーゼが活性化していませんが、幹細胞ではテロメラーゼが活性化しています。成体幹細胞というのは、体細胞が死んだり、損傷したりしたとき、新しい細胞を供給して組織を再生する役割を持っています。」

「体細胞の分裂の回数に限りがあるために体細胞が死んだとしても、成体幹細胞が死んだ細胞の代わりになるのであれば、不老不死はあり得るということですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。しかし、現在発見されている成体幹細胞は、特定の体細胞にしかなれないという問題があります。」

「成体幹細胞で修復できる細胞が死んだ場合は問題がないでしょうが、修復できない細胞が死んだ場合には、人間の死につながることになるかもしれないのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。しかし、成体幹細胞については、研究の途上で、全ての成体幹細胞が発見されたわけではありません。また、複数の種類の体細胞になれる成体幹細胞も発見されているので、あらゆる体細胞になれるような成体幹細胞があるかもしれないのですが、実験は、人体の外ですることになるため、人体内では色々な細胞になれても、試験管の中では特定の細胞にしかなれないかもしれないという問題があります。」

「なるほど、人間が不老不死になれるかどうかは、成体幹細胞の研究にかかっているということですね」と町会長。

「残念ながら、成体幹細胞も次第に分裂能力を失い新たな細胞を供給できなくなるという問題があります。」

「成体幹細胞のテロメアが少なくなるためですか」と町会長。

2019/10/13